気になる生化学では、医療系の1年次生が初めて生化学を学ぶ際、学習の助けになればと思って解説していますが、医療系の各専門領域に進むには、もう少し学んでおいてほしいこともあります。
今回は、学習(学年)が進むにつれて、役立つであろうおすすめの本を、厳選して紹介したいと思います。
1年次におすすめの本
分子生物学講義中継 Part0上巻・下巻(羊土社)
井出利憲先生の分子生物学講義中継シリーズは、個人的に絶対におすすめのシリーズです。
タイトルにあるとおり分子生物学の基礎を学ぶシリーズで、当初Part1~Part3まで発行されましたが、このPart0は分子生物学の講義に入る前の基礎部分を補完するものとして、後から刊行されました。分子生物学が本職でない、医療系の学生さんにとっても参考になると思います。
Part0は上巻と下巻の2冊に分かれており、上巻では生化学や細胞生物学の基礎がテーマに、下巻では代謝と遺伝学の基礎がテーマになっています。目次をみると、上巻にはヒトを構成する元素、化学結合、アミノ酸とタンパク質、脂質、糖、酵素など、下巻には糖代謝、脂質代謝、アミノ酸代謝、エネルギー代謝、核酸、核酸の代謝などが含まれています。
この本には、井出先生の「暗記ではなく理解して納得できるための説明をしたい」という思いが随所に込められていて、また、本当に講義を受けているかのような語り口で書かれており、とてもわかりやすくて読み進めやすい本だと思います。ボクが初めてこの本に出会ったとき、それまでイメージしにくかったものがスッキリと頭に入って理解できた感動はいまでも忘れません。学生のみなさんも最初にこの本で生化学の基礎を学んでおけば、その後の専門科目の理解がきっとスムーズになると思います。
数ある生化学と名のついた本を差し置いて、最初に分子生物学の本からの紹介となりましたが、入口としてはこの本が一番わかりやすいと思います。
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