生化学

ビタミンの定義と分類

気になる生化学シリーズ、今回はビタミンの1回目として、ビタミンの定義と分類のお話です。

ビタミンといえば、サプリメントでよく目にしますが、体のなかではいったいどのような役割を果たしているのでしょうか?

今回のクエスチョンはこちら、

  • そもそもビタミンってどんなもの?
  • ビタミンにはどんな種類があるの?

こうした問いに答えられるよう解説したいと思います。

ビタミンの定義

そもそもヒトが生きていくために食物として摂取する必要がある物質を栄養素といいますが、栄養素のうち、エネルギーを生み出す糖質(炭水化物)、脂質、タンパク質を三大栄養素といっています(最近はエネルギー産生栄養素というそうです→e-ヘルスネット「エネルギー産生栄養素」)。

一方、三大栄養素ほどたくさん必要ありませんが、ヒトが健康に生きていくために必要不可欠な有機化合物をビタミンといいます。ビタミンは三大栄養素の代謝を助けています。

ビタミンの多くは体内で合成することができませんので、食物から摂取する必要があります。なお、食物中には前駆体として存在していて、体内に入ってからビタミンに変化して働くものもあり、この前駆体をプロビタミンといいます。

ビタミンの分類

ビタミンには多くの種類がありますが、その性質から脂溶性ビタミン水溶性ビタミンに大別されます。

脂溶性ビタミンは、水に溶けにくい疎水性の化合物で、脂肪や胆汁酸とともに小腸で吸収され、主に肝臓や脂肪組織に蓄えられるビタミンです。ビタミンAビタミンDビタミンEビタミンKが脂溶性ビタミンです。

脂溶性ビタミン:A、D、E、K

水溶性ビタミンは、水に溶けやすい親水性の化合物で、血液など体液に溶け込みますが、余分なものは尿として排出されるビタミンです。ビタミンB群(B1、B2ナイアシン、パントテン酸、B6ビオチン葉酸、B12ビタミンCが水溶性ビタミンです。

水溶性ビタミン:B1、B2ナイアシン、パントテン酸、B6ビオチン葉酸B12ビタミンC

今回のポイント

Check!
  • 定義:三大栄養素以外で、生命活動に必要な量を体内で合成できない有機化合物をビタミンという。
  • 体内でビタミンに変化するビタミンの前駆体をプロビタミンという。
  • 脂溶性ビタミン:水に溶けにくく油に溶けやすい疎水性のビタミンで、脂肪や胆汁酸とともに小腸で吸収され、主に肝臓や脂肪組織に蓄えられる。過剰に摂取すると過剰症が起こりやすい。
    例)ビタミンAビタミンDビタミンEビタミンK
  • 水溶性ビタミン:水に溶けやすい親水性のビタミンで、血液など体液に溶け込むが、必要以上に摂取しても余分は尿として排泄される。そのため、過剰症が起こりにくい一方、必要量を毎日摂取する必要がある。
    例)ビタミンB群(B1、B2、ナイアシン、パントテン酸、B6、ビオチン、葉酸、B12)、ビタミンC

はなたか先生
はなたか先生
今回はここまで!

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